宇野の家
福岡県の東部、小さな町の国道からすぐの場所にある敷地で、車を走らせば1分で田園風景が広がります。
三方を道路と道路下にある水路に囲まれた場所です。
プランは四方を閉じつつ、中心に中庭があり、可変性のある仕切りを設置し、仕切りを開ければ路地に広がっていくような間取りです。のどかな場所ではありますが、西側通学路であったり、東からは国道に接続する道路に車が多く行き交い、プライバシーを保ちつつ調整が可能となるプランとしました。
今回のプロジェクトでは建て替えの二世帯住宅で、家族が代々受け継いできた土地であり、近所付き合いも密接です。建物は普段は閉じていますが、週末や地域の催し物がある際は南側の趣味性の強い駐輪スペースの建具を開け放ち、南側の路地と中庭、リビング、キッチン、吹き抜け、ロフトとレイヤー状に繋がっていきます。
リビングの真ん中にキッチンを置くアイディアはクライアントのご要望で、内部空間の中心にあり、キッチンの周りをグルグル回ることができます。
中庭を介して、リビングと1階寝室も歩き回れ、回遊性があります。
外観は扇状地の下流域にあり、山からの激しい季節風を流すように、一直線に勾配が伸びていくような片流れの外観としました。東側は車の往来が多いので、通りから見えない高さから開口をまとめ、象徴的になるように、開口部を配しています。
竣工時期 2016年
施工 株式会社ムサシ
延床面積 155.91㎡