安武の古民家リノベーション

AFTER

BEFORE

 

本物件は約築75年の民家のリノベーション。

ご家族で県内の都市部から地方へのIターン移住の為に購入された空き家であった。先ずは古き良きものを残しつつ、限られた予算の中で耐震改修していくことを先行した。

足元全体にベースコンクリートを設置し、柱を全てボルトで繋いだ。

建物北半分ほどは旧浴室、洗面などの水廻りであったが、過去に無理に増築された形跡があり、屋根形状もあまりに複雑な上に雑に仕上げられていた為に、それらは減築した。

古くは牛舎であり納屋であった部分は、基礎から整理し、ご家族の個室ゾーンを作ることと水廻りを配置した。開口部は元々の位置からあまり変えずに構造に素直に間取りを整理することに重点を置いた。

建物が建築された当初からある田の字の広い4室の和室の空間をリビングとキッチン、玄関、多目的な和室とした。南に隣家が迫るように隣接していたので、高い造りであった小屋裏をリビング空間に取り込み上方より柔らかに光を落とすこととした。

設計時に民家を調査した際、リビングとした空間の上部は工事前、大きな空間が天井裏に隠されていた部分を吹抜けとして、建築当時からある梁を現わしにしたダイナミックな空間となった。欄間や古い建具も要所要所で残し古き良き物を残しつつ、現代的な住まいとなった。

2022年 リクシルメンバーズコンテスト リフォーム部門 地域最優秀賞(九州1位)