古墳下の4つの黒い箱の家
本計画はご親族の隣に空いた土地を購入して家を建てるプロジェクト。
南側には古墳である小山が迫る場所である。
その山は土砂災害警戒区域、土砂災害特別警戒区域がすぐそばまで設定されている。
山の下部にある土地の為、土砂や水の通り道となる恐れのある敷地の為、建物南側には1フレームを外部に出し、いざという時の為に建築側でそれらを軽減できるものとした。外に飛び出したフレームにはそれぞれ可動の格子を取付けられるようにしており、日射の調整が可能である。
隣の実家にアクセスしやすいように勝手口を設けたダイニングキッチンスペースを一番東側に、次にリビングの箱、水廻りの箱、研究室の箱という風に4つの箱は機能を明確に分けている。
敷地の西から東にも敷地が傾斜しており、第1の箱、ダイニングスペースは1段下げたスペースとなっている。キッチンはオリジナルの大工+建具店の造作キッチンでありコンロとシンクがセパレートになっているタイプでありキッチン自体に収納を多くできるものとした。ここから南側のテラスに出るとファイヤーピットがあり外で焚火を楽しむスペースとなっていた。
第2の箱、リビングスペースは薪ストーブがありテレビやオーディオを楽しむスペースとなっている。南側は1段下がっており読書スペースとなる。
第3の箱は浴室、洗面、物干、トイレなどの水廻りスペースとなっている。第4の箱はご主人が研究者の為、研究室である。
それぞれの箱の間は接続スペースであり外部は坪庭スペースであるのでそれぞれの箱を行き来する際により外部を取り込むように窓開口が設置されている。
2階は子供室2室と寝室のみのシンプルな形態となる。
山間の生活ならではのゆとりがあり内外の空間を大きく使う大らかな住居となった。