三六町の家

古くからの長屋などが立ち並び、少し歩けば国道があり、鉄道の線路がある、北九州を代表する工場地帯の近くの住宅街。周囲の敷地はそれほど余裕がなく庭も少ない。計画地はそういった中では割とゆったりとした敷地であり、計画は庭をどう作るかの外部計画と外部を内部にどう取り込むかにあった。

内部は玄関から土間続きのキッチンがあり、大きなカウンターのダイニングがあり、リビングを中心として北側と南側に吹抜けが2か所あり、奥には開け放てる和室があったりと平面的にも高さ方向にも様々に空間が広がる。1階に畳敷きの寝室を設けて、奥まった場所に置くことで、建物をL字型に配置でき、外部空間を包み込むようなつくりとした。中心の庭は少しづつ育てるように作っていく方法を取ったが、先行して簡易的な装置を用いてビオトープを設置した。そこからは水面に射す光が反射し、ダイニングまで光を運ぶ。2階は3人兄妹の為の空間となっており、各々の部屋は全て開け放てることができスキップフロアなどもあり2階もまた広がっていくような空間となっている。

竣工時期 2013年

施工 星和住研
延床面積 146.20